同窓会ニュース

~夢に向かって~岩井麻純さん

2017.03.15

椙山女学園の同窓生であり、私の教え子でもある岩井麻純さんの事を書かせていただきます。

彼女は現在24歳。アメリカニューヨークでダンスの勉強をしながら日々オーディションにトライして、ミュージカルやダンスなど様々な舞台に立ち続けています。

岩井さんとの出会いはまだ彼女が10歳の時でした。私が舞踊団に団員として所属し同時にジュニア団員の講師を務めていた時に入団し、常に純粋なまなざしで私の後ろ姿を追い求めてくれたアーティストの卵達の1人です。彼女は私が椙山時代に教わった生き方に対する考え方に共感して進学先を椙山女学園に決め、その時から私たちは椙山女学園の先輩後輩としても信頼関係を深める事が出来たのです。

岩井さんが初めて海外のパフォーマンスに参加したのは彼女が14歳の時、台湾の台南市で行われた台南七夕芸術祭でした。振袖姿や祭のはっぴ鉢巻に幻想的なキツネのお面など、日本独特の衣装に身を包んだ彼女は、日本人には珍しい、彼女特有の高い身長と体型がゆえにひときわ目をひきました。その姿は開催期間中何度も地元の新聞を飾り、日本の伝統文化を海外の方々にアピールする事ができたのです。また初めて国境を越え多くのお客様の前で全力でパフォーマンスをやり遂げ、言葉が通じなくても心を通い合わせて人を感動させる事ができたと言う手応えが彼女の今に繋がっているのです。

その後15歳で出演した、アメリカ、アイダホ州で行われたART & MUSIC FESTIVALをきっかけに海外で舞台に立ちたいという気持ちが一層強くなり、彼女の進路を定めていきました。

彼女は椙山女学園高校を卒業後、舞踊団入団前からの夢であったアーティストとしての道を選び大阪芸術大学に進学、舞台芸術を学んだ後2年前に1人でニューヨークに渡りました。言葉の壁や生活習慣の違いで大変な苦労をしながらも、持ち前のバイタリティーと椙山で学んだ「決して夢を諦めない力」で乗り越えて、この2年間で実に11作品40公演もの舞台に立っています。

その1つに、ニューヨーク州公認慈善団体が所有するHEIGHTS PLAYERSでのミュージカルの出演があります。昨年の秋には同劇団主催「ハロードーリー」で、実にアジア人たった一人の出演ほ果たしました。さらにその中でもソロダンサー、またダンスリーダーとしての大抜擢を受けました。言葉の壁を乗り越えて周りのダンサーにどうやって自分の意思を伝え付いて来てもらえばいいか、不安という様な簡単な言葉では言い表せない感情を幾度となく押し殺してやり遂げて、千秋楽を無事に終えた時には大勢のチームのメンバーからハグをされ涙が止まらなかったそうです。またパフォーマンスからの帰り道「あなたのダンスが今日一番のTOPICだったよ!」と舞台を見に来てくれていた人から声をかけられたり、あなたと一緒に是非パフォーマンスがしたいと名刺を渡して帰る方もいたそうです。やればできる、道は必ず開けると確信したとそう語る彼女の瞳は強く、また輝いていました。 

昨年の秋には彼女を知る関係者からの要望で急遽帰国し、奈良の平城京跡で催されたさわかみオペラ主催のオペラ「トゥーランドット」に出演を果たしました。イタリアからの多くの歌手やオーケストラに引けを取らないパフォーマンスを披露して喝采を浴び、その公演の様子は地元関西地方の新聞を華やかに飾りました。

岩井さんは今日も忙しいレッスンの合間を見つけては様々なオーディションを受け、時にはいくつものリハーサルや本番を掛け持ちしながら、寝る間も惜しんで活躍しています。

彼女のパフォーマンスがいつか世界中の人々の心に届く日が来ますように!ずっと応援しています。      

卒業生 塩谷友美

◆岩井麻純さんプロフィール

椙山女学園中学、高校卒業生

8歳でジャズダンスを初め、国内外の様々なダンス、ミュージカルの舞台に出演。ジャズダンスのみならずタップダンス、バレエ、アクロバット、ヒップホップ、声楽などのトレーニングを重ねる。

2015年大阪芸術大学舞台芸術学科ミュージカルコース卒業後、本格的なコンテンポラリーのトレーニングを受けるため単身でニューヨークへ渡る。現在日々トレーニングを重ねながらもオーディションにトライし舞台経験を積む。代表出演作品「エニシングゴーズ (エンジェル役)」、「ハロードーリー (ダンスキャプテン)」、「ヘアー」