同窓会ニュース

『すぐに使える 家庭科授業ヒント集』を出版しました

2015.08.05

急激に変化する社会の中で、新学習指導要領は、前回に引き継いて「生きる力」の育成を目指すことの重要性を提唱しています。 家庭科はその「生きる力」を育成させる重要な教科であるにもかかわらず、男女4単位必修(1989年改訂学習指導要領)から「教育改革」の一環として提唱された「家庭基礎」2単位の設定(1994年改訂学習指導要領)となったことで、多くの高等学校が「家庭基礎」を選択し、4単位から2単位への単位減が全国的に進みました。         

家庭科の修得単位減は必然的に各校における家庭科教員の専任率も押し下げることとなりました。「専任が減った」「教科のことで相談する相手がいない」など教科内の教員の孤独は大きな問題となっています。さらに、生徒の生活自立力の低下という現実を踏まえ、どうやって「生きる力」をつけさせるかは、実に大きな課題です。こんな現状を踏まえ大修館書店より本書作成の依頼を受けました。今までの多くの家庭科教材集は、分野ごとの学びでまとめられていますが、本書は分野にこだわらず、教材作りの手段(方法)から授業で取り組んだ教材をまとめている事が大きな特徴です。そもそも、私たちの生活はさまざまな事と関連しながら成り立っていることを考えると、分野のくくりの中で学ぶことが本来の学びとは考えられません。本書は、さまざまな分野と関連させた結果、生徒にとっては「生きる力」を育て、教師にも楽しい授業となるでしょう。また、教材作りに欠かせない参考文献を探すことは大変な作業ですが、本書ではほとんどの教材に数冊の参考文献が紹介されています。ぜひ手にとってご覧下さい。

「楽しい教材が作りたい」、そんな時のヒントとして本書がお役に立てれば幸いです。

下野 房子